館長の美術旅行記V

・ドイツ編@・冬のオランダ

・お勧め度 ★研究者向き ★★一度は行っておきたい ★★★リピートしたい *有名,ないし,きわめて重要な作品がある

 
ヨハニスブルグ城                       城壁からマイン河の眺め


城内の美術館入り口             ヘルデルの「キリストの受難」連作の展示室2室(対側に窓が多く映り込みが目立った)


ヘルデル「オリーブ山上のキリスト」     「最後の晩餐」      「キリストの捕縛」      「鞭打ち」


「ゴルゴダへの道」               「磔刑」          「十字架降下」     「キリストの埋葬」


「二人のマリアの前のキリスト」  「キリスト昇天」   「二人のマリアの前のキリスト(部分)」 レンブラント工房「福音書記者ヨハネ」

クラナッハ展示室6室                  クロンベルグ選帝侯の紋章のステンドグラス(1610) 城内の教会


法衣展示室の宝物                                 調度品の室内展示




プファルツ選帝侯博物館         雪の中庭からエントランス建物を望む





カールスルーエ国立美術館(ドラクロワ展でフランス国旗が掲げられている)

 第3日

 今朝は少し早く出て,アシャッフェンブルクへ.この都市は日本のガイドブックでは見たことがない穴場,しかもフランクから近い.

 ところで,ドイツ語でBerg-ベルクは山,Burg-ブルクは城 です.ベルクカッツェという敵役が出てくるTVTVアニメがありましたね(Katze はcat).

★★★ バイエルン州立アシャッフェンブルク美術館
 アシャッフェンブルク(ヨハニスベルク)城・アシャッフェンブルク絵画館

フランクからはDB30分足らず(列車により1時間かかるので注意),EUR8.6.駅からは右折徒歩5分と近く,尖塔の向うに城塞の屋根が見える.

 開館時間 火〜日曜 4−9月午前9時〜午後6時,10−3月午前10時〜午後4時.

 月曜休館 入館料EUR4 アシャッフェンブルク城総合ガイドブック(絵画以外,英語)EUR3 絵画総合カタログ(リストと白黒写真36点,独)EUR3・絵画傑作選(ブックレットで36点のみ,独)EUR5
 入館料・カタログともクレジットカード使用不可 ミュージアムショップは3階Guild Hall にある.

 収蔵品 
17世紀オランダ絵画40点強 フランドル絵画35点強 16世紀ネーデルラント絵画4点ほど ほかに宝物工芸品やローマの遺跡など

 2階に上がると,まずルーベンスなどの大作の間,第1室.
 続きの間は窓のある角部屋で,ヘルデルの「キリストの受難」連作が展示されたお目当ての第2室.10点が展示され,残り2点はアムステルダム国立美術館にある.
 当館所蔵の小品「二人のマリアの前のキリスト」とここで展示されている同題作品について比較検討するために訪問したのであるが,カンバスの目地は粗く,左中央の遠景や右下の草などに掻き削り技法を認める点は類似している.
 大きく異なるのは,キリストの描き方で,ここでは頭部に光を帯びた威厳のある表現なっているのに対し,当館の作品では,ほかのすべての連作に描かれたキリスト同様弱々しい.
 当館の小品が習作ではないとしても,ここの「二人のマリアの前のキリスト」は,サイズのみ連作と一致するものの制作年代がやや下るのかもしれない.

 3−5室にオランダ・フランドル絵画が展示されているが,なかなか粒揃いである.6−8室にクラナッハらの作品が展示され,さらに奥には法衣や宝物,城内の教会がある.回廊にも収蔵庫代わりに作品がかかっているが暗くて見づらい.

 第1室に戻って,ここから3階に上がると,ローマ遺跡の模型,家具,陶器などの展示がある.

 帰りの列車に遅れそうで,駆け足で回ってから外に出たら,雪が降り積もっていた.


傑作選約30点



 ここからはダルムシュタット経由(約40分)でハイデルベルクへ(+約35分).




★ プファルツ選帝侯博物館
 ハイデルベルク中央駅からはタクシーで5〜10分,EUR8程度.ハイデルベルク自体は中世以来の城塞と大学の都市である.ネッカー川対岸に渡って,哲学者の道から市街を眺めたり,ハイデルベルク城を周遊するのが定番なのだが,1時間だけ滞在のオランダ・フランドル絵画巡りの旅なもので....

 開館時間 火〜日曜 午前10時〜午後6時
 月曜休館 入館料EUR2.5(日・金曜EUR1.5...日曜だった!) 総合カタログは無く,簡単な英文パンフレットあり.
簡素なミュージアムショップあり.

 入館料・カタログともクレジットカード使用不可(だったと思う)

 収蔵品 
17世紀オランダ絵画50点 フランドル絵画10点 〜16世紀ネーデルラント絵画は数点 リーメンシュナイダーの木彫「十二使徒の祭壇」があったらしいが,見ていないのは残念!ほかに原人などプファルツ領内の近郊発掘品も多いようだ.

 18世紀のハイデルベルク大学教授宅の中に造られた1905年開設の博物館.道路に面する邸宅の中庭を通って奥のガラスの建物が入り口となっているので迷わないでください.見取り図はありません.

 なんと写真撮影禁止!

 古典絵画は2階.第9室はドイツ派,10室がクラナッハ,18室にヨルダーンス・スペイン派,11室イタリア派,12室オランダ派(ヘルデルの「ヨーゼフとユダ」・エークハウトの「エマオの晩餐」,フランドル派の「バベルの塔」・フランケンの「ヨハネの首を受け取るサロメ」「ペルセポネの略奪」,ヴァン・ダイク「ゼウスと・・・」),13室のネッチェル数点,14室ドイツ・バロック. ほかは当時の調度品など.

 部屋は暗く,とくにオランダ派の部屋は非常に暗い.アトリビューションに不安があるものが少なくないようだ.

 帰りは美術館の受付でタクシーを呼んでいただきました.

 ここから,カールスルーエへは30分足らず.




★★★ カールスルーエ国立美術館

 開館時間 火〜金曜の午前10時〜午後5時,土・日曜・祝日〜午後6時.
 月曜休館 入館料EUR8(企画展込み) 絵画総合カタログ(独)EUR6 補遺EUR1.入館料・カタログともクレジットカード使用かろうじて可 ミュージアムショップではないが図録の展示販売あり
 収蔵品 17世紀オランダ絵画120点余 フランドル絵画40点余 〜16世紀ネーデルラント絵画10点余



 フランク〜カールスルーエ間は
IC1時間20分ほどで,EUR24.6(急行料金はかからず,指定も可能@2.6

第4日目へ(to be continued...こうご期待)