館長の美術旅行記V

・ドイツ編@・冬のオランダ

・お勧め度 ★研究者向き ★★一度は行っておきたい ★★★リピートしたい *有名,ないし,きわめて重要な作品がある

 
ダルムシュタット美術館(ライオン像が印象的)              カール・ストレーヘル翼3階の古典絵画展示室


サーフェリ「動物を魅了するオルフェウス」               ストーメル「キリストとニコデモ」


フリンク?の男性の肖像                                     フリンクの女性の肖像

  
レンブラント工房「キリストの鞭打ち」 B・ファブリチウス?「髪の手入れ」 ベンソンの聖母子像  ウォーターハウス"la belle dame sans merci" 


クラナッハ父「ザクセン選帝侯フリードリヒ3世」「書斎の聖ヒエロニムス」  ゲオルグ・フレーゲル「朝餉」


1階奥の間の中世ドイツの祭壇画と彫刻群


ICEの食堂車にて      ヴィルヘルムスヘーエ城よりの眺め ヘラクレス・モニュメントのある丘のライトアップ


カッセル国立古典絵画館(ヴィルヘルムスヘーエ城


古典絵画館パンフレット        カッセル国立美術館群共通チケット(葉書大です)


見取り図

<98年のカッセル展で来日していた作品>   *は部分トリミングあり お勧めはアンダーライン

*レンブラント「横顔のサスキア」1654年の「自画像」 *フリンク「M・テュルプの肖像」 *テル・ボルフ「楽器を持つ婦人と楽譜を持つ男」


ハルス「ペーケルヘリング」 「鍔広帽子の男」 アールスト「花瓶と懐中時計りある静物」 ドゥベルス「帆船の並ぶ港の風景」

        
ワウエルマン「鷹狩の帰り」       ヴァン・ダイク「セバスチャン・レールセ夫妻とその息子」


ヨルダーンス「画家と義父の家族」  「三賢王の礼拝」  「主人の目が馬を肥やす」


ファルケンボルフ「ローマとサビーニの和解」    ダルトワ「羊飼いのいる風景」

 第2日

 朝はニュルンベルガーソーセージなど温かい料理付き.7時ごろに夜が明けて,羽毛のような雪が降ってきた.
 ウェイトレスのお嬢さんが,指を組んだ手を胸にあてて新年の初雪を歓迎していたのが印象的だった.日本ではあまりみかけないポーズですね.

 今回はDB(Die Bahn ドイツ鉄道)のホームページで時刻表と乗り継ぎ(時間とホーム)を確認して出てきたので安心でき,正解だった.わからなければDBのカウンターで尋ねると良いが,混雑していると時間がかかって大変.ドイツではトラベラーズチェックを使えるところが少なく,DBでも使えない.市中の両替所では50EURにつき3EURの手数料がかかった.宿泊ホテル(の一部)で手数料なしで両替してくれるので,まず確認すると良い.

★* ヘッセン州立ダルムシュタット美術館
 かつてはこの都市に行政府が置かれていた.フランクからはDB20分足らず,1日周遊券EUR12で往復できる.ダルムシュタット中央駅からはタクシーで5〜10分,EUR8程度である.
 開館時間 火・木〜土曜は午前10時〜午後5時 水曜は〜夜8時まで,日曜は朝11時〜.

月曜休館 入館料EUR2.5(常設展のみ)
 入館料・カタログともクレジットカード使用不可 ミュージアムショップなし
 絵画総合カタログ'68(独)EUR15・・・殆ど白黒で古い
 美術館名品カタログ'96(英)EUR15

 収蔵品 17世紀オランダ絵画30点弱 フランドル絵画20点余 〜16世紀ネーデルラント絵画6点 ほか宝物工芸品や恐竜の化石など
 バロック絵画コレクションは小ぶりでコンディションの良くないものが多く,レンブラント工房作「キリストの鞭打ち」は1640-50年当時,ファブリチウスやドロストらが所属していた頃の作と見受けられる.ドイツ絵画は現代に至るまでバランスがとれている.スイスのベックリンや世紀末ロンドンの画家ウォーターハウスの作品があったりもする.
 重要作品 P・ブリューゲルの「絞首台上のかささぎ」

今回は
P・ゲティ美術館に貸し出し中....

3階の一翼のみが古典絵画に当てられていて,対翼に19世紀絵画があり,1階奥にドイツ中世〜ルネサンス絵画が展示されている.クラナッハらドイツ・ルネサンス絵画の部屋の奥に祭壇画が並んだ広間があって壮観.常設絵画だけを見るのなら1時間程度で回れる.2階でピカソ展をやっていたが入らなかった.

 流しのタクシーはほとんど拾えないので,帰りは美術館のクロークの方に呼んでもらった.チップはいらないらしいが,ありがとうございました.ここから,昼前にフランクフルトに戻り,もう一度シュテーデルに入りなおす予定だったが,時間の都合で,建物の写真を撮ってミージアムショップを覗く時間しかなかった.土曜の昼で,河畔でフリーマーケットが開かれ,日用品などが売られていた.
 実は当日朝では予約の禁煙席が取れず,昼食をとりながらカッセルまでInterCityExpressの食堂車で過ごした.Green pea soupにパンのセットとコーヒーで,禁煙席なら十分約EUR10の価値あり.


★★★*カッセル国立古典絵画館(ヴィルヘルムスヘーエ城)
 1998
年の改修工事に伴う貸出で,日本でも同年秋に今は無き東京・伊勢丹美術館で展覧会が催されたのは記憶に新しい.その際も優品が目白押し(オランダ派15点,フランドル派12点)だった.
 ヘッセン・カッセル方伯国の首都であったカッセル市の西方ヴィルヘルムスヘーエ(丘陵)に広がる庭園を背景に位置したアーチ型の城址が美術館になっている.フランクからはDBICE1時間40分ほど,カッセル中央駅ではなく,カッセル・ヴィルヘルムスヘーエ駅で降りるのだが,ICEならこちらの駅にしか止まらないので大丈夫.往復EUR83.2(特急料金込み,指定料金別途@2.6).駅からは登り道なのでタクシーがお勧めで5〜10分,EUR7程度である.

 開館時間 火〜日曜の午前10時〜午後5時.
 月曜休館 入館料EUR3.5
 総合ガイドブック(英語)EUR9.95(買えず)
 古典絵画総合カタログ(独)'96 2巻本 は既に持っていましたが,写真の多くは白黒です.

ミュージアムショップはクレジットカード使用可

 収蔵品 17世紀オランダ絵画170点ほど フランドル絵画100点ほど 〜16世紀ネーデルラント絵画20点余

18世紀のヘッセン=カッセル方伯ヴィルヘルム8世のコレクションは17世紀オランダ・フランドル絵画が主で,これらはナポレオンの侵攻にもかかわらず,返還によりほぼそのままが残されている.コンディションも良いものが多く,2階にはイタリア・バロック絵画の良品も展示されている.

 重要作品 受付で「最も重要なレンブラント・ルーベンスのコレクションは4階にあります」と,誇りをもって紹介されたのが印象的で,実際それらはすばらしいものだった.レンブラントは「横顔のサスキア」「聖家族」「ヨーゼフの子供を祝福するヤコブ」や小品ながら「冬景色」(貸出中)など有名作品を中心に12点,ルーベンス7点.

 建物は一翼のみだが広く,4階に二大画家とその周辺画家の作品群,3階にはその他のネーデルラント=ルネサンス〜オランダ・フランドル=バロック絵画が展示されている.ここまで回るのに,写真を撮りながらだとゆうに2時間はかかる.監視員の方は親切で,閉館5分前まで時間をくれた.じつは3階の離れにはstudy galleryがあったのだが,すっかり見落としてしまった.やはりまた行かなくては....
 小展示室では大丈夫だったのだが,広間では照明や白壁の映り込みが写真では割りと目立ってしまった.

 地階にクローク(コイン式だが木製で締りが悪いので,施錠を確認してください),カフェテラスとミュージアムショップ.現金の手持ちがなくなってしまい,閉館前にクレジットカードの回線も切られてしまっていたため,ガイドブックも買えず,サスキアのマグネットプレート(EUR3)も1つだけしか購入できなかった...残念ながらビジタープレゼントはできません.悪しからず.

 帰りは,タクシーより,歩くのが一番とのこと.まっすぐ下って10分だよといわれたが,早足でも20分かかった.ドイツではほかの街でも徒歩10分が5分だったりと,徒歩所要時間については人によってさまざまである.でも,おかげで,背後に浮かび上がるヘラクレス像のある丘や美術館のライトアップなどを楽しむことができた.次回はぜひ森の緑も愛でたいですね.

傑作選〜50余点〜


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