12月10日

19:30 アムステルダムはロンドンより時差先行1時間,飛行時間はわずか1時間半足らずである.スキポール空港にはたしか以前には無かったスーパーが出来ていたので,夜間用に飲料を買い込んだ.ちなみにオランダでのミネラル・ウォーターはSpaが一般的で,青がガス(炭酸)なし,赤がスパークリングです.
 空港からアムステルダム市内(中央駅=CS)へは列車だが,今日も列車が30分程遅れてきた(NLG6.5).タクシーでマリオット近くのBest Western AMS・ホテル・テルダムへ(チップ込みでNLG20).Best Western系のホテルは手軽なのでよく利用するが,いつものMuseum Hotelは今回なぜかネット上で予約できなかったので,JTBに依頼した@\9900.


12月11日

10:20 まず徒歩10分でコンセルトヘボウへ.幸い大ホールで今夜のネーデルランドPOの悲愴が聞ける(NLG49.5).明夜の王立コンセルトヘボウ・オーケストラはブラ4だが,生憎チケットは売り切れ.ただ,夕方7時頃くれば当日券売りの分が手に入るだろうと.5時過ぎに来れればそれでもいいよといってくれた.

10:30 そのままクリスティーズ・アムステルダムに向かう.ここへは以前はトラムで行ったのだが,地図で見ると意外と近く,コンセルトヘボウからだとLairesse Straatを市の中心から離れる方向に7分ほど歩けば左手,メンフィス・ホテルに向き合う手前の角にある.
 余談だが,アムステルダムのOud-Zuid(旧南区)は街路の名前が文化人の名前にちなんでおり,この一角の美術館地区より南〜東には,オランダの誇る綺羅星のごとき黄金期の画家が名を連ねている.
 Lairesse通りから南へ東西の街路にはvan Goyen,N.Maes,F.van Mieris,Ruysdael,・・・G.Terborchら,国立美術館の前の道はHobbema(ホバーマまたはホッビマに近く発音している?が,ホッベマ),Vermeer,P.de Hoochで,近くにはMiereveldやPotterの名もあり,運河の東には,G.Dou,A.Cuyp,G.Flinck,J.Steen,J.van der Heijdenらの名を冠した通りが東西に,南北にはF.Hals,F.Bolらの名があります.
 運河の隅のほうになりますが,ゴッホの名前もあります.ぜひ一度通りを散策して,いにしえの画家に思いを馳せてみてください.
 クリスティーズでは,秋のオークションで購入していたフェルディナント・ボルの「ヴェルトゥムヌス」をハンド・キャリーで持ち帰ろうかと考えていた.アムステルダムでは,昔から殆どの美術品をゲルラッハという専門運送業者が独占的に扱っていた経緯があり,そのため輸送費用がべらぼうに高い(多分,欧州旅行の旅費3,4回分くらい).しかして,やむなく.....
 が,この額がたいへん重い....迷った挙句に,板絵と額を別にして,絵自体は機内持込に,額は預かり荷物にすることにした.

11:30 次にサザビーズ・アムステルダムに向かう.ここは2年程前に移転して,ホリデイ・インの近くにある.市内からはトラム5でBoelelaan下車徒歩10分.
 市内の移動はストリッペン・カールトという回数券が便利.殆ど自己申告式で折って印字機に差し込むのだが,違法行為は罰せられるので,よく分からなければ運転士のいるドアから乗り込むこと.ゾーン内で単位時間以内なら乗り降り自由.
 サザビーズでは,以前買った「額」のVATの還付金を受け取った.これで一日くらいの旅費にはなる.なにしろ,あと2ヶ月もするとギルダーは使えなくなるから,日本で両替を殆どしなかったのでした.
 ここを後にする頃には,体がひどくだるく,眠い.疲れ風邪を引きそうなので,ホテルに戻ることにした.

Marriott Amsterdam近郊


アムステルダム・コンセルトヘボウ                     コンセルトヘボウ・大ホールの幕合い



レイデン〜運河に映る風車


運河に沿う市立デ・ラケンハール博物館      同左


マウリッツハイス美術館と運河上のスケートリンク マウリッツハイス手前の広場

 
「売春宿の場面」1658年頃               「牡蠣を食べる」

「子犬と遊ぶ」1660年      以上3点,F・ファン・ミーリス(父)作,マウリッツハイス美術館所蔵品



コンセルトヘボウ・オーケストラの公演ポスター

館長の美術旅行記

2.アムステルダム〜ライデン〜ハーグ           1.冬のロンドンへ   ホームページへ

12:15 コンセルトヘボウ近くの角にあるTalkboxとかいう軽食&総菜屋さんがお気に入りである.三品ほど買って600円ほど,味もいけるのです.
 ホテルに戻って,お昼にして,それから眠りについてしまいました.この日は旅の中日,ちょうど疲れが出る頃でした.

 ZZZZZzzzzzzz............

20:15 NPOの開演.指揮Hartmut Haenchen.席は二階席のほぼ中央で,管弦のバランスも最高.ただ時々共振?していた.この大ホールの壁には名だたるクラシックの作曲家の名前のレリーフが連ねて飾られているのです.
 一曲目は20世紀の音楽家***のアルト・オーボエの独奏を伴うエレジー?なかなかの曲だったが,聴き慣れない.
 二曲目はチャイコの6番「悲愴」.これは大変素晴らしかった(この曲はVlaがいいのですよ).演奏者ではとくにClが光っていた.この指揮者はテンポを大きく変えるタイプ.第3楽章のデュナーミクもすごくて,楽章の終わりに拍手とブラボーの声があがってしまった.これが災いしたか第4楽章は指揮者の乗りも今ひとつで,終焉のコントラバスは音が大きくて消え入らなかった....


12月12日
10:00
 ハーグのR.K.D.に調べものに行くため,アムステルダム中央駅へ.そこからハーグまでNLG17.75.
 ギルダーのキャッシュが心もとない.スキポールに停車したので,ABN-AMROの両替所へ向かう.千円札は数枚しか持っていなかったので,1万円札でしか両替はできない(NLG100以上が条件).レートは\51.5@NLG(当日のMasterCardのレートより0.7円割高程度)だが,これに手数料NLG7.5が加算される.
 続いて乗った列車はハーグHS駅経由で,ハーグCS駅には停まらないので,レイデン(ライデン)で乗り換えなければならない.

11:20
 途中下車したら,レイデン市立デ・ラケンハール博物館Stedelijk Museum de Lakenhalに行きたくなった.駅近くのVVV(観光案内所)で聞くと,徒歩10分足らず(駅から),途中,運河に映る風車が旅情を誘う.次の運河の左岸に博物館がある(美術館レポート).入館料NLG9
 ミュージアム・ショップで図録を購入.
 Catalog SchildTeken NLG10
 FDijnschilders Dresden NLG59.5

14:50
 ハーグCS駅から,まずマウリッツハイス美術館に向かった.過去2回来ていて,冬は初めてだったが,隣にスケートリンクが出来ていて,家族連れが遊んでいた.入館料NLG20.
 今回の訪問は「シャボン玉を吹く少年」のオリジナルの検分が目的で,やはりこのパネル(板)は板目が上下の長辺方向だ.しかし,この作品の架けられていたところの暗いことといったら!細部は殆ど見えなかった.(ToT)
 ただ幸い"Holland Frozen in Time"という主に17世紀の冬景色の風景画企画展が開催されていて,世界の名だたる美術館から36点が出品されていた(美術館レポート).常設のほうはやや駆け足で回らざるを得なかったが,F・ファン・ミーリスの作品群は写真に納めた.

16:00
 RKDはCS駅へ戻る方向で駅からは徒歩5分ほど.建物の5Fエレベータを降りると,受付があり,ビジターは氏名・所属・アドレスなどを登録した上で,1年程前から当日分ならNLG5を払って資料が閲覧できるようになっている.
 今回は,主に「シャボン玉を吹く少年」について,F・ファン・ミーリスのジャンル画を閉じこんだファイル集の箱を探して,同絵のファイルを選び,20世紀前半から蓄積された写真や文献の中で,所蔵品に関するもの他をピックアップして,コピーやメモをとってゆくわけである.残念ながらPM5時で時間切れのため,これだけに終始してしまった.

18:50
 コンセルトヘボウに着く.席はとれてNLG91,場所はどのあたりかと聞けば指揮者とface to faceだと.それで舞台の前のほうだと思い込んだ.実は一番安い席だった.
 Koninklijk Concertgebouworkest
 指揮Bernard Haitink
 チェロ独奏Quirine Viersen
 開演は昨夜と同じ20:15.Podium(Noord)とは,実はひな壇(右翼)で,確かにハイティンクの顔はよく見えたし,指揮ぶりも大変よくわかった.随分お年を召されましたね.
 一曲目はストラビンスキーの舞踏組曲「プルチネッラ」
 二曲目はハイドンのチェロ協奏曲第一番(私は二番のほうが好きです).
 そして,三曲目がブラームスの第四交響曲!ハイティンクのテンポはゆったりとしていて,叙情的.で出しからうるうるものでした.ここの管ではFlが出色.
 ところで,Trb(ボントロ)は第4楽章まで出番が無いということも,恥ずかしながら始めて知った.学生オケのとき弾いたことがあるにもかかわらずである.中央よりの指揮者用通路脇だったので,ハイティンクが,拍手に答えて再登場の折,Trb奏者に労いの言葉をかけていたのもよく分かった.


12月13日

 9:00 クリスティーズへ.「ヴェルトゥムヌス」の梱包作業に取り掛かる.2時間ほどを費やして,ようやく終了.
 いそいで,戸外でシャトル・バスに乗り,スキポール空港へと向かった.

14:10 無事にオランダを後にした.お疲れさま....