館長の美術旅行記

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某ホテル
                                       Seafresh Fish Restrant






                    
Cavendish                                          コベントガーデンの大道芸人さん



ケンウッド・ハウスの外ゲート            野鳥


マップ copyright English Heritage


ケンウッド・ハウス                    ダイニング・ルーム copyright English Heritage


見取り図 copyright English Heritage



ドルリー・レーン劇場


「マイ・フェア・レディ」カーテンコール        出入口の雑踏



クリスマス前夜のコベントガーデン                   ナショナル・ギャラリーの夜景



パレイディアム劇場                     「王様と私」カーテンコール



   ウェストエンドでの観劇に関心のある方は,下記URLに寄ってみて下さい.
http://www.officiallondontheatre.co.uk/






     
ナショナル・ポートレート・ギャラリー        (企画展展示風景)


ロンドン ナショナル・ギャラリー見取り図 copyright The National Gallery, London


王立美術アカデミー Royal Academy of Arts    le Meridian Piccadillyにて




クリスティーズ キング・ストリート本店       ラファエル・ヴァルス画廊


ファン・ヘフテン画廊                  フリンクの少女の肖像画(部分)


シムス・リード書店                   トーマス・ヘネッジ書店


バーリントン・アーケード(南側)            セント・ジェイムスズ書店


バーリントン・アーケード(北口)            アグニューズ画廊

           
コルナギ画廊                      リチャード・グリーン画廊

12月7日出発当日.
 今回は帰国当日に講演会を頼まれていたので,KLMを利用することになった.これだと朝帰ってこれるが,JALは午後になってしまうので.アムス−成田直行便は現在この2社しかなかったはず.今回も帰りに荷物が多いので直行便しか考えられない.JALならFFP(マイレージ)でビジネスクラスに出来たのに...でも,KLだと,ロンドンが最終目的地で,追加をはらわずにアムスで経由兼滞在ができるので,私の行程(ほとんどいつもアムスとロンドンを回っている)にはとても便利で,7.9万円.ホントに安くなりましたね.
 エコノミーも空いていればよいのだが,3人がけの真ん中はつらい.それで少し早めにチェックインしにいったのだが,手荷物しか持っていないのに,例のテロでカウンターに入るのにも持ち物のX線チェックが必要の由.KLがノースウェストとの共同運航であるためかもしれないが,これは不合理だと感じた.カウンターを出てから荷物を替えられるわけだから.それで20分並んでからチェックインすると,お気に入りの出入口すぐ後方の席は,窓側・通路側とももう空きがなく,結局その真中になってしまった.
 KLは2度目だが,機内食やサービスは日系2社とBAがよく,AFはサービスがいまひとつだと思っている.

 アムステルダムでの乗り継ぎ後,ロンドンに着くと夕方で,トラベルウェブで予約してあったヴィクトリア駅近くのホテルに直行.なかなか見つからず,結局Bed&Breakfastであったことが判明.おまけに部屋は狭く,便器に○○○が残ったまま.あまりひどいので,部屋を替えてもらったが,ここも水洗の調子が悪い.明日はホテルをかえてやる!気をとりなおして,食事に出た.厳寒期ではないが,ロングコートは必要だ.
 近くにあるガイドブックで紹介されていたSeafresh Fish Restrantに行ってみた.スキューバダイビング歴もあり,魚は好きなので,ある程度の魚種はわかるつもりだったが,・・・Rocks(岩礁の魚の意.そのときは推測の域を出ず結構高かった)とか,xxx(squidやcuttlefishではない)とかよく分からない.聞けばイカらしいが,フライの揚げ方もいろいろらしい.結局黒ビールに魚介のスープ£4とroast trout£8という無難な選択になった.ただ,欧米ではボリュームが違うので,スープでほとんど腹いっぱいのところに,30cm近いマスが丸ごと一匹にジャガイモがゴロゴロで,とても食べきれなかった.


12月8日
 誕生日なのだが,ここのところいつも旅先で迎えている.

 9:30 まずunderground(地下鉄)の一日乗車券(どのゾーンまでゆくかで料金が異なるため注意.1-4なら£4.30)を購入.
 クリスティーズに近いホテルCavendishを覗いたら,一泊£89の特別料金とのこと.即2泊を頼んで,某最悪ホテルに戻り,2日分のキャンセル(£60x2)を交渉し,まあ,当日のキャンセルだからキャンセル料£40を払うことで決着させた.(T-T) ロンドンは世界一ホテル料金の高い都市ではないかしら.

 11:15 前夜のうちに,展覧会とミュージカルのスケジュールをチェックしておいたので,コベントガーデンのドルリー・レーン劇場Theatre Royal Drury Laneへ行き「マイ・フェア・レディ」の当日券を尋ねるとマチネーは残っているとのことで購入.£40 まだ3時間少々あるので,近くのコートールド美術研究所(ギャラリー)に調べものに行くか迷ったが,無理をしてケンウッド・ハウスを見学に行くことにした.

 11:50 地下鉄のNorthern lineのHigh Barnet行に乗ってLeicester Sq.(レスターと読みます)駅から約25分,Archwey駅で降りて聞くと,一人目の駅員さんはケンウッド・ハウスを知らない由.二人目の方は親切で210番のバスに乗り換えるように教えてくれた.バス賃は一日券でOK.始発だと思っていたので(実は違う)バス乗り場が二ヶ所あるなんて知らず,寒い中15分程待って行きは方向違いに乗ってしまった.乗って少ししてバス内に表示もアナウンスもないので,"Please  let me know the nearest stop to Kenwood House, when arrives."とか何とか隣のおばさまにお願いすると,「反対側だから次で降りなさい」と.結局,黒タクに乗った(£4). ケンウッド・ハウスまでは約10分,ハムステッド・ヒース(草原)が見え隠れして春から夏はいいだろうなあと思った.聞けば,夏は緑の中で野外コンサートもあるとか.歩いていくのもいいでしょうね.

 12:50 門から5分ほど散策して,憧れの18世紀ロバート・アダムの改築による新古典様式の建物に出会う.入館料£
 2階建てで,1階に古典絵画のすばらしいコレクションが展示されている.ホールは比較的簡素だが,左手奥に進んで,ロビーにはカイプの牛の絵.でも,屋内は撮影禁止!(T-T)  続くダイニング・ルームにはレンブラントの1665年頃の自画像画像(これは老いた,しかし老獪な,画家の威厳と自信を感じさせる感動的作品だ!),そしてフェルメールの「ギターを弾く女」画像が架けられている.他にもヴァン・ダイクやF・ボルの肖像画などなど.
 南面の部屋ではキュレーターの女性が照度をチェックしていた.陽の光が入るので,家具のファブリックなどが気になるそうだ.古い館なので,美術品の管理はかなり大変らしい.
 2階は有料の特別展Clerics and Connoisseurs-An Irish Art Collection through Three Centuriesをやっていたが,内容と時間から回らずに図録を買った(£15).
 ミュージアム・ショップでは,Kenwood-The Iveagh Bequest(ケンウッドハウスの解説書36pp.£2.95),English Heritageによるマナー・ハウスの絵画コレクションのカタログ(£14.95)などを販売していた.
 館の背後にまわれば,草原の向うに池が見えた筈だが....タイムアウト,また,散策にこよう.ここへは半日の行程で来ることをお勧めする.

 13:40 さて,人生の縮図か,時間がないので,帰りは反対のHampstead駅のほうが近いかもしれず,そちら行きバスが先に着たので乗ったのだが,そこは終着のはずなのにふつーの通過バス停.乗り越してしまい反対側のバスを待つが,この前後の道が異様に込んでいて,結局,30分のロスタイム.そこからMorden行に乗った.Northern lineは南北ともに終着駅が複数あるので乗り違えないこと.
 さてさて,ロンドンのバスの乗り方は,推測をせず「必ず乗ったときに,運転手か近くの親しげなオバサマに行く先を告げて降りるところで教えてもらう」ようにしなきゃと反省しきり.

 15:10 ドルリー・レーン劇場に戻ったのは,開演を40分過ぎて.係員のお姉さんに先導されつつ,もうあの「踊り明かそう(Dance all night)」も終わっているのかなぁと思った.席はセンター右より,舞台から10mほどのところ.詫びながら着席.しばらくすると状況を把握.ドゥーリトルの親父さんが「運がよけりゃ」をヒギンス教授邸で歌って,金を受け取った場面だった.よかったよかった.まだこれからがクライマックス.ただ私の英語力では,台詞は残念ながら3割ほどしか聞き取れない.でも,殆どが耳慣れた名曲なのでワクワクした.
 エライザ役はテレビにも出ている有名な女優さんだそうで,歌も演技もうまかった.ただ,ヘプバーンの映画を見慣れている者にとっては,スタイルで見劣りしてしまったのは気の毒.休憩のとき買ったプログラムbrochureの写真は細面の美人でびっくり.
 ヒギンズ邸のセットは重厚だったし,競馬場,クライマックスの舞踏会,と楽しめる演出だった.
 おそらく原作によるのだろうが,舞踏会の成功の後,エライザが自暴自棄になって家出し,教授が彼女への愛情に気づくまでのくだりを緊張感を持続させながら描くのは脚本家にとって大変なようである.最後のシーンは盛り上がりに欠けていたかも.
 映画と違ってエライザが投げ捨てた教授に貰った指輪にスポットライトがあたるなど,脚本や演出で随分違うのね.
 昼とはうってかわった雑踏を出ると,コベント・カーデンにクリスマスの明かりが灯っていた.

 17:50 ナショナル・ギャラリーは土曜は夜9時までと書いてあったと思ったので回ってみたが,水曜の勘違いで既に閉館.ツリーが飾られライトアップが綺麗だった.でも,ロンドンの夜空はなぜか赤っぽい(写真は修整してあります).
 そういえば,朝食べてからなにも食べてなかったのだが,この後の予定が決まらない.ピカデリー・サーカス(地名)に戻りがてら,やたらと劇場のディスカウント・チケット売り場が目立つ.行きつ戻りつするうちに,"The King and I"か"The Phantom of the Opera"を見に行きたくなる.後者のHer Majesty's劇場まで回ると,うさんくさそうなおじさんが,「いい席のチケットが安く手に入るよ」というので,みればまあまあの席がプレミアで倍になっている.丁重にお断りして,先ほどの売り場に戻り,列に並んだら,またまたうさんくさそうなオバサンが後ろのカップルに声をかけている「開演まであと30分だから,一枚£30でどうだい」.カップルは乗らなかったが,見れば「王様と私」で,正規£37.5だった.ただパレイディアム劇場の場所がわからないので,聞けば地下鉄で2つ先のOxford Circusの近くだとのこと.ならば間に合うとと思いゲット.ミュージカルのダブルヘッダーだ〜!
 しかし,土曜の晩で乗降客が多く,地下鉄の地上出入口は閉鎖!(T-T)  がんばって走っていきました.

 19:30 何とか探しあてた劇場は,昔は本当のサーカスにも使われていたところだそうで,至極外観が立派.席は前から10m強だが,右の端のほうだった.
 シャム(サイアム)での話なので,役者さんの殆どはアジア系(日本人の方も3人ほどいらっしゃいました)で,交わされる英語も「アジア人の英語」と設定されている.おかげさまで5割以上理解できた.日本人にお勧めかも(でも,もうすぐ閉幕らしい).
 私のよく知っているナンバーは,"Shall we dance?"と"仲良くしましょうGetting to know you".また,悲恋のビルマの王女の歌うアリアなどはもの悲しくもたいそう美しく,英国大使をもてなすために催された劇中劇「アンクル・トーマス(アンクル・トムの小屋)」は京劇にラゴンダンスを混ぜたような演出で楽しめた(タイなのに...西洋人のアジアってこんなイメージかぁ).

 23:00 結局食事できずにホテルに戻り,持参のおせんべいを食べた.これでやせるぞ.
 ホテルの部屋は,まずまずの内装で20uほど.廊下にくぼんだあとが応急処置のままだった様な気がした.


12月9日
 今日は美術館巡り.

 10:00 "Painted Ladies"(描かれた貴婦人たち)という企画展が催されていたので,先にナショナル・ポートレート・ギャラリーによる.ここは一度来たことがあって,常設は無料だが,歴代の王侯の肖像画が並ぶものの傑作に乏しく,故ダイアナ妃の肖像が記憶に残る程度だったと思う.今回は企画展のみ観覧£5.率直に言ってピーター・リリー卿(ヴァン・ダイク後の英国チャールズU世時代の中心的宮廷画家.作風はダイクに似るが,作品のまなざしに独特の妖艶さというかクセがある)の作品が圧倒的に多く,これが好きなヒトにはよいだろうが,私にはちょっと....ただ,同じモデル(sitterと呼ぶ)を別の画家が描くとこうなる,という比較展示がなかなか面白かった(図録は購入せず).写真撮影禁止.

 10:30 隣のナショナル・ギャラリーへ.入館無料.これで二度目だが,今回も17世紀までの古典絵画だけ鑑賞.メモをとりながら,延々4時間かかった.写真撮影禁止.
LNG古典絵画解説(リンクを鋭意製作中)

 14:30 館内のカフェ・レストランでスープとハムサンドの遅い昼食をとってから,ルネサンス宮廷画家ピサネッロPisanelloの企画展に向かうが,疲れがひどく見送り.(T-T)  途中のミュージアム・ショップで"Catalogue of the Dutch School 1600-1900 2vols.(HC)" ・・・元々£50なのだが最後の一冊で£15でよいそうな.(^-^)
"Catalogue of the Flemish School 1600-1900 (PB)"£9.95
を,近くにあったピサネッロ展記念の大型コイン型チョコレートとともに購入.急いで王立美術アカデミー(美術館)に向かう.

 16:01 当館400番ゲッターの美貌のれいさんと同館のショップで待ち合わせしていたのだが,1分遅れてしまった(れいさん,ごめんね).お茶をしてから,今回もっとも重要だった"Rembrandt's Women"(レンブラントの描いた女性たち)という企画展を鑑賞.観覧料£8(後で知ったのだが,ギャラリーガイド£2込みとのこと)
 絵画点,素描点,版画点の力の入った展覧会である.四室にわたって経年的に並べられており,初期のサスキアを描いていた頃の幸福と野心に満ちた時代,その後のヘンドリッキェをモデルにして,筆太のタッチで仕上げられていく魂の表現の時代.彼の様式の変化を肌で感じるよい機会となった.(詳細レポートは製作中.カタログは海の上PB£9.95閉幕前の安売)写真撮影禁止.

 18:00 「旅トラ」HPのマドンナ,ふゆきさんとご一緒して三人で,彼女に予約していただいたle Meridian Piccadillyのレストランへ.パンプキンスープがとくに美味しかった.久し振りに楽しい会食でした.ありがとう,ご両人!


12月10日
 今日はオークション会社と画廊・書店巡り.

 9:00 まず,クリスティーズのRoberts女史を尋ねる.今回はオークションに参加しないが,一通り,古典絵画のプレビュー会場は見て回った.P.コニンクのハーレム郊外のパノラマ風景画が目にとまったが,予算がない.別室に1月のニューヨークでのオークションに出品されるターナーやアーフェルカンプの作品が特別展示してあった.さすがにターナーはとんでもない評価額である!
 クリスティーズを出ると目の前は書店が2軒,交差点の角に向き合って店を構えている.シムス・リードとトーマス・ヘネッジである.S.R.は有名な古書店で美術系に強く,価格設定も大変リーゾナブル.輸送費用もよくまけてくれるのだが,お眼宛の本がなかったので,やむを得ずT.H.へ.こちらは新旧取り混ぜた美術書専門店で,とくに新書の品揃えが多い.ただ,ディスカウントについては,全く期待できない.探していたS.Sliveの"Jacob van Ruisdael"を購入£150(出版元のサザビーズと同額).イギリスで購入した書籍すべてを船便で同梱で送ってもらうことにしたが重いこともあって,輸送費がべらぼうに高い£53.

 10:30 書店を出て,斜め前のラファエル・ヴァルス画廊へ.ここで,購入したホイエンの作品を確認し,褐色のオランダ額に入れられていたことに感謝.輸送の手続きを依頼し,しばし談笑して店を後にした.
 その並びにオランダ・フランドル絵画の傑作を扱うことで名高いファン・ヘフテン画廊がある.オーナーのジョニー氏は初老の紳士だが,表のショーウィンドウにあったフリンクの少女の肖像画の値段を聞くと,£190,000といわれた.確かに優品だけどね....

 11:20 気をとりなおしてクリスマス飾りで彩られたバーリントン・アーケードに向かう.この商店街の中には,今回は寄らなかったセント・ジェイムスズ書店もある.ちなみに道を隔ててすぐ隣が王立美術アカデミーである.
 この一辻西側のボンド・ストリートを北上してゆくと,古典絵画の画商ギャラリーも多く,左にアグニューズ,右にコルナギ,リチャード・グリーンがあり,その向うがサザビーズのニュー・ボンド・ストリート本店会場である.今回は,サブオークション用(クリスティーズで言えばサウス・ケンジントンの子会社みたいなものだろう.価格設定の低めな商品を扱う繁華街から離れた第二会場?)ともいえる新設されたサザビーズ・オリンピアの場所の確認が目的であった.やはり古典絵画のプレビュー会場を見て回り,ため息をついて後にした.オークションのプレビューは,時期にもよるが,一流美術館が購入を検討する作品も出品されることも多く,作品をじかに手にとって見ることのできる貴重なチャンスでもあるのです.

 12:00 サザビーズ・オリンピアは,地下鉄Piccadilly lineでEarl's Courtにでて,ここで一駅分だけOlympia (Kensington)駅へと乗り換えるのだが,たまたましばらくはピカデリー線がアールズ・コート駅に停まらなくなっていた.そこでSouth KensingtonでDistrct lineに乗り換えてアールズ・コートへ.そこに到着した電車の行き先は変更になっていた.表示を鵜呑みにせず,乗ったらすぐ近くの人に聞いて正解(例のバス経験の学習効果).無人?の地下鉄オリンピア駅を出,左に曲がって150mを右に曲がると右手の劇場に続く建物の2階がサザビーズ・オリンピアの入り口.
 ここを2時間ほど回ってから,ヒースロー空港に向かうが,オリンピア駅で電車がなかなか来なかった.私がいかにも外人なのに,いつ電車がくるか聞いてきた女性がいた位.
 16:55 無事,英国を後にした.

 英国の美術館では,写真を取れないので,フィルムを用意し過ぎないようにしましょう.