絵画の写真撮影について

 絵画の写真を撮る場合は,とにかくレンズの明るいものを選んだほうが良い.愛機はペンタックスMZ-5にタムロンのズーム28-135mmF3.5-5.6を使っていたが,これではまだ暗いので初めて50mm標準F1.4レンズも持参した.フィルムは過去の教訓でISO400以下は暗く1600では粒子が粗すぎるのでISO800(フジ スーペリア・ビーナス)が妥当と考えた.撮影条件は勿論フラッシュ不可(No flash!)・三脚持込不可のため,手ぶれを考えて,シャッタースピード優先で1/30に固定し(これでも一部にブレあり),中央部重点測光,オート絞りで光量調節としたが,バロック絵画は画面が暗いことが多いので,明るいところでは露出を+側に補正した.フィルムは36枚撮り10本を用意.これを後でデジタル化してCD-ROMに焼き付けると1枚の取り込み画素数は1536x1024,圧縮により400KB前後で,1本あたり500円かかるとのこと.

 デジカメはキャメディアC-40407.1-21.3mmF1.8-2.6 413万画素).このカメラでは感度をISO100200400相当から選択できるが,400ではノイズが強いので200に設定し,やはりシャッタースピード優先で1/30に固定し,絞りオートで光量調節した.なお,デジカメには色温度調節機能があるので,電灯色での色補正などが簡単にできる.また,近接撮影機能がついていたのだが,今回は使い忘れてちょっと失敗してしまった.デジカメの画質設定は2272x1704=400万画素で240dpiのプリンタを使用したとき横が12cmL版より小さめ相当の仕上がりになるわけで,High Qualityとして900KB程度の圧縮を選択し,とりあえずスマートメディア128MB2枚と64MB1枚を持参したため350枚程度撮影できる計算だった.最新機種ではより大容量のメディアが使えるようになっている.

これらの使い分けとして,35mm標準のほうが,今回の条件で画面からの距離が同一ならば3.3倍以上露出が稼げるため,暗い被写体向きで,色再現や解像度の点でも有利のはずである(ビックカメラの写真工房の情報として,解像度については500万画素クラスで機能を最大限利用すると同等らしい).これに対し, デジカメは高いところにかかっている絵でも,手を伸ばして液晶で確認しながら画面の歪みを最小限で撮影できるし,後ろからの光や白い壁の反射の映りこみの影響を判断しやすく,一般的に,うまく取れたかすぐ確認でき取り直しできる,メモリー残量に応じて画質変更で対応できる,シャッター音もビープ音を消しておけば静かで,シャッター操作も軽く,実際の重さも軽いというメリットもある.

 今回は風景撮影が少なく,デジカメの広角が35mm相当のようで結構使えたため,結局タムロンのズームは重いだけで使わずじまいだった.
 定評のある50mmF1.4の成果はというと,絞り開放では画質に問題があった.手元にあった20数年前の「カメラ・レンズ白書」によると,当時のペンタックスの同等の設計レンズでも開放では画質は今ひとつだったようだ.とくに,被写界深度(奥行きに対してのピントの合いやすさ.絞り込んだほど焦点は合いやすくなる)や球面収差の関係で,中央部は焦点があっているが,中間部ですでにピンボケのようである.よく一絞り絞って撮ると良いというが....この分だと,軽量なデジカメ一筋でいいかもしれないが,デジカメのレンズもコンパクトカメラでは必ずしも良いとはいえない(例えば色収差がある).しばらく悩みますね.

 時間にゆとりがあれば,ピントはマニュアルにしたほうが良いかもしれない.とくに手前にアクリル板の入った絵ではピントと背景の写りこみ(光沢のあるニスのかかった絵も)に要注意で,なかなかいい写真は取れませんね.

 なお,手ぶれ防止には,重いものを手にして持ち歩かないこと,撮影時には足を肩幅に開いて脇を閉めること,レンズとフィルムの条件はISO値/F値の二乗≧100 が望ましいようだ.