ベックによれば,本作品は,同著no.244A(29x33cm)に対応する左半分で,右半分であるno.244Aの方に署名と年記162..があり,河と対岸の風車などの風景が描かれたファン・デ・フェルデの影響の色濃く残る1625年頃のホイエン初期の作品で,1984 年にはロンドンの画商Alan Jacobsのもとにあったが,彼の死去もあってその後の行方は不明である.ホイエンの絵は横長ならば半分に切って別々の2点とした方が1点より高く売れたので,過去に切断された作品が何点かあり,例えばハーグ, オランダ美術庁所蔵の「塔の廃墟のある風景」(板 36.5x33.5cm, 1624年頃)もそのような一枚である.例えば,縦長のパネルの木目方向が水平になっている場合には,原寸から切断されていると考えられる.