本作品は,前景に羊飼いの少年達を描いた牧歌的風景で,犬や少年の描写の様式はヘリット(あるいはヨプ)の他の作品にもしばしば登場する.左中景にはロバに乗った婦人や,坐って糸を紡ぎながら語らう婦人と男性が,遠景には後述の土手と城門があり,これらのモティーフを組合わせた作品である.
本作品の背景の城門や橋や樹木の繁みがそのままの構図で描かれている「北東からみたアルンヘムArnheimの聖ヤンス市門St.
Janspoort」という署名入りの素描(17.5x27.5cm)がライデン大学図書館に保存されており,こちらの方が左端に拡張されて建築物が描かれている.